お知らせNews
四恩学園乳児院四恩みろく乳児院
ブログ新しい結び目をつなぐ 〜乳児院から里親家庭へ〜
乳児院から里親家庭へ。
環境が変わるということは、こどもにとって人生の大きな一歩です。
児童養護施設への措置変更とはまた違う、特定の「大人」というこどもを真ん中に温かいバトンをつなぐ道。
その日のために何ヶ月も前から、ゆっくりと時間をかけて準備を重ねていきます。
まずは里親さんに、こどもが普段生活しているお部屋(ユニット)へ来ていただきます。
いつものおもちゃ、いつもの景色。
こどもにとって一番安心できる環境の中で一緒に遊んだり、日常を過ごしたりしながら、少しずつ距離を縮めていきます。
また、私たち職員が里親さんとお話をする時間も、とても大切にしています。
こどもは大人の表情や空気を本当によく見ています。
普段から信頼している職員が笑顔で楽しそうに接している姿を見ることで、こどもは「あ、この人は安心できる人なんだ」と本能的に感じ取り、少しずつ新しい関係を築いていきます。
大好きな職員の笑顔が、新しい出会いへの安心の架け橋になるのです。
引き継ぎの際、私たちが何より大切にしているのは、一人ひとりの「その子らしさ」を伝えることです。
日々の生活リズムや成長の姿だけでなく、その子の内面に深く寄り添います。
「眠くて甘えたいときは、このブランケットをぎゅっと握りしめます」
「少し不安そうなときは、こうやって抱っこすると落ち着きます」
そんな、その子だけの特別なサインや好みを、愛情を込めて里親さんへと丁寧につないでいきます。
赤ちゃんや小さい頃の記憶は、大きくなったら消えてしまうかもしれません。
ここで過ごした毎日のささやかな一コマは、忘れてしまうかもしれない。
それでも、信頼できる職員の笑顔に包まれ、お部屋で里親さんと出会ったあの最初の一歩から、みんなで丁寧に積み重ねてきた時間は、こどもたちの「心の土台」として一生消えずに残り続けると信じています。
小さな背中を見送る時間は、何度経験しても慣れるものではありません。
本当は、もっと一緒にいたい。 もっと成長を見ていたい。
そんな切ない気持ちも、正直あります。
でもそれ以上に、これから里親さんのおうちで、たくさんの愛情を受け、たくさんの経験をして、その子らしく伸び伸びと過ごしてほしい。
そう願いながら、背中を見送ります。
乳児院の仕事は、ただ目の前のこどもの日々の生活を支えるだけではありません。
こどもたちの「その先」にある未来を想い、それを支える、本当に重要で誇らしい仕事です。
私たちが結ぶ温かいバトンのリレーが、この記事を読んでいるみなさんにとって、この仕事の奥深さを知るきっかけになれば嬉しく思います。
また、私たちの身近な地域にも、こどもたちのために日々活動されている里親さんがいること、そして今も里親家庭での養育を必要としているこどもたちがいることにも、目を向けていただける機会となれば幸いです。
これからも、こどもたち一人ひとりの歩みに寄り添いながら、こどもたちの輝く未来へとつなぐ関わりを大切にしていきたいと思います。
【関連記事】
